ソバーキュリアスは一つの正解を示す言葉ではない
ソバーキュリアス(sober curious)は、飲酒を当然の習慣にせず、自分にとって飲むか、減らすか、飲まないかを考えるときに使われる表現です。医学的な診断名でも、世代全体の特徴でもありません。毎日飲まない人、一定期間だけ控える人、会食では飲まず自宅では飲む人、特定の場面だけ少量にする人など、実際の選択はさまざまです。
この言葉を使う理由も、健康、睡眠、仕事や学業、家族、費用、宗教や文化、過去の経験、味や香りへの関心、単に飲みたくないという意思など一様ではありません。飲酒する人より意識が高い、飲まない人の方が優れている、と評価するための言葉でもありません。本人が説明したくない場合に理由を尋ね続けないことも、選択を尊重する一部です。
飲まない・減らす・場面ごとに選ぶ方法
まず、どの場面で何を選びたいのかを具体化します。例えば、平日は飲まない、運転がある日は飲まない、家では酒類を買わない、乾杯だけノンアルコールにする、一定期間記録して体調や支出を振り返る、といった決め方があります。量や回数を減らす場合も、周囲の宣言に合わせる必要はありません。体調や生活に無理が出るなら計画を見直し、飲まない選択へ切り替えて構いません。
誘いを断るときは「今日は飲みません」「ノンアルコールにします」「運転があるので酒類は選びません」のように短く伝えてもよく、詳細な理由を説明する義務はありません。店や集まりを選ぶ際は、酒類以外の飲み物があるか、同席者が無理に勧めないか、帰宅手段を確保できるかを事前に確認します。アルコールを飲まない人をからかったり、グラスを置き換えたり、飲酒を強要したりすることは、親睦やマナーの範囲ではありません。
ノンアルコール飲料は表示を確認する
ノンアルコール、アルコールフリー、ゼロなどの呼び方だけで、すべての商品が同じ意味になるとは限りません。商品ごとにアルコール分、原材料、内容量、保存方法をラベルで確認し、商品ページの説明だけで判断しないようにします。0.00%などの表示がある商品でも、製品の区分や表示方法は商品ごとに異なるため、気になる場合は製造者や販売者に確認します。少量でもアルコールを避けたい人は、アルコール分が明確に表示され、納得できるものを選ぶか、水、茶、炭酸水などを選んでください。
ノンアルコール飲料にも糖類、カフェイン、香料、植物由来原料などが含まれることがあります。服薬中、アレルギーがある人、妊娠中や授乳中の人は、アルコール分だけでなく原材料と医療者からの指示を確認します。酒類と見た目が似ていても、飲み物としての成分や保存条件は別の商品です。開栓後はラベルの案内に従い、におい、容器、液体の状態に異常があれば飲まないでください。
周囲の同意と飲酒を断る権利
飲み会や食事会では、酒類を飲む人と飲まない人が同じ席にいて構いません。幹事はノンアルコール飲料、水、食事を用意し、乾杯の飲み物を酒類に限定しないと参加しやすくなります。写真や動画を撮るとき、飲酒の有無や健康上の事情を本人の許可なく共有しない配慮も必要です。店員や同席者が飲み物を選ぶ場合は、本人に確認してから注文し、酒類を本人の同意なく渡さないでください。
断る言葉が一度で伝わらない場合は、席を離れる、店のスタッフや幹事に相談する、帰宅するなど、安全を優先して構いません。飲まない理由を証明すること、代替品を注文すること、場を盛り上げることは、飲まない人の責任ではありません。飲酒を選ぶ人にも、選ばない人にも、相手の意思を尊重する責任があります。
年齢・服薬・妊娠授乳・運転を先に確認する
20歳未満は飲酒せず、酒類を試飲させたり勧めたりしないでください。服薬中、治療中、体調に不安がある人は、アルコールとの相互作用を自己判断せず、医師や薬剤師に相談します。妊娠中、妊娠の可能性がある場合、授乳中も、アルコールを避ける必要があるかを医療者へ確認し、迷う場合は飲まない選択をしてください。
飲酒後は自動車、バイク、自転車などを運転せず、危険を伴う作業もしないでください。運転や仕事の予定がある日は、最初から酒類を選ばないことが安全です。飲酒をする場合でも、短時間に多量に飲まない、一気飲みをしない、水や食事を用意する、他人に勧めないことが基本です。意識がぼんやりする、呼吸がおかしい、繰り返し吐くなどの異変があれば、飲酒を止め、周囲が一人にせず、必要に応じて救急へ連絡します。
情報を読むときの確認ポイント
- ソバーキュリアスを、世代の流行、健康の優越、人格の評価として断定していないか。
- 飲まない、減らす、場面ごとに選ぶという複数の選択肢と、理由を説明しない自由が示されているか。
- ノンアルコール飲料のアルコール分、原材料、保存方法をラベルで確認できるか。
- 20歳未満、服薬、妊娠・授乳、運転、体調不良の人への安全上の注意があるか。
- 特定商品や流行を買うよう急かさず、水、茶、炭酸水なども含めて選べるか。
関連情報として、厚生労働省の健康に配慮した飲酒に関するガイドライン、世界保健機関のAlcohol、厚生労働省のアルコールによる健康障害を確認できます。表示については国税庁の酒類の表示と消費者庁の食品表示についてを、運転については警察庁の飲酒運転を絶対にしない、させないを参照してください。公的情報の更新日や商品のラベルを確認し、分からない点が残るときは飲まない選択を含めて判断するのが安全です。



